包装材と地球環境
サステナブルなソリューションは、製品設計にとどまりません。製品包装材の影響まで考慮しています。2021年、コーニング ライフサイエンスは、中国江蘇省の呉江経済技術開発区にある製造施設で、強度が高く軽量の輸送用梱包箱を新たに使用し始めました。この梱包箱には、責任を持って管理されている育成林から得られた原料を使用します。サプライチェーンのサステナビリティ対応強化に向けて継続的に取り組んでいるコーニングは、Avantorの2023年サプライヤーアワードで「責任あるサプライヤープログラムコラボレーション」賞を獲得しました。とりわけ、Avantorは、企業の実績・コラボレーション・功労を評価する「責任あるサプライヤープログラム」賞を設置したばかりで、コーニングがその最初の受賞者となったことに大きな意味があります。
また、コーニングによるサステナビリティへの重点的取り組みから、新たな製品が生まれています。例えば、ピペットチップ用ラックやフタは、バルクチップを補充し、オートクレーブで滅菌して再利用できる設計になっています。チップボックスが耐用年数を迎えたときには、コーニングの包装材引取りプログラムを通じて無償でリサイクルできます。このプログラムでは、15 mLと50 mLの遠沈管用の発泡スチロール製のラックのほか、樹脂識別コード(日本では「SPIコード」)の2(高密度ポリエチレン)と同4(低密度ポリエチレン)を原料とするバッグやプラスチックフィルムも対象としています。同プログラムは製品包装材が対象であり、製品自体はバイオハザード物質、液体、放射性廃棄物、その他の規制対象廃棄物とともに使用された可能性があるため、引取り対象外となります。
チップボックスは、主にデッキや公園のベンチの材料となる複合ボードにリサイクル可能です。複合ボードは、今日の技術では効率的にリサイクルできず、最終的に廃棄物となることから、解決策として不完全であることは認めざるをえません。この点を踏まえ、コーニング ライフサイエンスは、MIT(マサチューセッツ工科大学)を会場に2022年9月に米国北東部使い切り型プラスチック製品循環サミットを初めて主催しました。循環型経済では、いかなる製品も耐用年数を迎えると、同一製品の新版に完全にリサイクルされ、元の製品とは区別がつきません。つまり、素材は絶対に廃棄物にならないのです。
公共の利益のために力を合わせて
使用済みのピペットチップなどの消耗品を新たなピペットチップとして再生できるようになるまでには、多くの課題を克服しなければなりません。しかし、解決には、数多くのステークホルダーが力を合わせてスケールを実現させる必要があることは明らかです。
コーニング ライフサイエンスのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、John Tobin氏は次のように話しています。「業界としてのサステナブルなソリューションの発見にコーニングの先進技術がどのように寄与できるのかというテーマについて、このサミットの開催を機にお客様との有意義な意見交換ができるようになりました」
コーニングは、研究室の活動に確かな効果をもたらす取り組みに加え、米国環境保護庁(EPA)の最も権威ある賞「ENERGY STAR Partner of the Year(エネルギースター年間最優秀パートナー)」賞を10年連続で受賞しています。エネルギー効率化に向けた継続的な取り組みとしては、再エネ電源の利用割合の拡大、エネルギー強度の低減(同じ製品の製造に使用するエネルギーを削減すること)などが挙げられます。
こうした活動を通じて、大気浄化、水質浄化、生まれくる世代の健康増進への道を開くコーニングの取り組みについては、こちらをご覧ください。