McCarthyが言うように、「集約化の効果は、プラスチックへの依存軽減にとどまりません。細胞製造に必要な培地も削減でき、消耗品使用量を抑制できます」。
こうした効果は、例えば細胞・遺伝子治療に当たる臨床医やトランスフェクト細胞からの産物回収に取り組む研究者にとって願ってもないものです。
プラスチックフットプリントを適切な水準に抑制
Corning® Ascent™ Fixed Bed Reactor(FBR)(日本未発売)は、圧縮したポリマーメッシュを搭載し、コンパクトな設置面積のバイオリアクター内で均一な分布の細胞培養を実現します。この設計は、スケールアップとスケールアウトのどちらにも対応し、研究室のプラスチックフットプリント削減に寄与します。細胞・遺伝子治療には、大量の細胞が必要になりますが、この課題はAscent FBRシステムで解決できます。サステナビリティの面では、Ascentの導入により、一定の細胞量の培養に必要な物理的サイズとキャンペーン生産の回数を抑制できるメリットがあります。Ascentシステムでは、1平方メートルから1,000平方メートルまで直線的なスケーラビリティが確保されているため、効率的に集約化できます。
「フットプリントを抑えて細胞収量を増やすことができれば、プラスチック消費量も抑えられます。当社は、標準フラスコから進化した、細胞製造を多層に集約できる多層型プラットフォームを開発しました。そして今度はAscentプラットフォームを市場投入しており、コンパクトな設置面積で製造規模を大幅に強化できます。」(McCarthy)。
細胞培養用のさまざまなプラスチック製品やプラットフォームについて、プラスチックフットプリントを比較すると、その効果は歴然です。例えば、標準の培養容器と比較した場合、HYPERFlaskは、U-75標準フラスコ23個分と同等の培養面積を持ちながら、プラスチック使用量は9倍未満に抑えられています(コーニング内部データ)。Ascentシリーズの中でも最大製品は1,000平方メートルのFBR表面を備え、比較的コンパクトな設置面積ながら、実に133,000倍以上の培養面積を確保しています。
コーニングは、ライフサイエンス分野でのイノベーションの長い歴史を生かし、この製品を始めとする数々のサステナビリティの実績を重ねています。こうした実績に加えて、研究室が製造の集約化に踏み切ること、でサステナビリティへの取り組みを強化する機会がますます広がるとMcCarthyは見ています。ライフサイエンス分野でのサステナビリティに対するコーニングの貢献については、こちらをご覧ください。