がん細胞が単独で脱離し、他部位へ浸潤し、新しい細胞コロニーを形成しなければ、がんは転移することができません。つまり、細胞運動能を標的にすることで転移を阻止できる可能性があり、これは数えきれないほどのがん患者に新たな希望を与えるものになるでしょう。
そのため、研究現場では、特に個別化医療での使用を念頭に、転移性がんへの運動能阻害療法の前臨床アプリケーション研究が続けられています。2D培養でも、遺伝子スクリーニングや薬理スクリーニングは可能ですが、3Dモデルであれば、細胞外基質(ECM)を使ってin vivo構造を再現することにより、新しい方法でその可能性を広げることができます。
細胞運動能研究は可能性にあふれていると話すのは、コーニング ライフサイエンスのプロダクトラインマネージャー、Shabana Islam博士です。実際、腫瘍転移における細胞運動能の役割を評価するアッセイは多数あります。
「細胞運動能を阻害して転移を予防する最適な方法はがんのタイプ、発生部位、治療歴、患者の全体的な健康状態によって異なります。」とIslam博士は説明します。
ほとんどの腫瘍細胞運動能研究は、がんの原発部位で脱離してから体内の別の部位での接着に至るまでのプロセスを対象にしていますが、関連するステップは密接に関連しています。