遺伝子治療は、ウイルスベクターのおかげで過去数年間に飛躍的な進歩を遂げています。
この遺伝子導入領域でますます存在感を増してきているのが、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターとレンチウイルス(LV)ベクターです。Signal Transduction and Targeted Therapy誌に掲載された調査によれば、現在、全世界で進められているベクター関連の治験うち、この2つのウイルスベクターが半数を占めています。残る半分はアデノウイルスベクターですが、これは常に免疫原性の懸念があります。
AAVベクターやLVベクターは、ウイルスベクター研究に従事する研究者にとって、アデノウイルスに代わる魅力的な存在と言えます。例えば、どちらも分裂細胞と非分裂細胞への感染が可能です。また宿主から重大な免疫反応が現れるリスクが少ない点も、理由に挙げられます。
しかし、双方に類似性はあるものの、差異もあり、これが特に純度と収率の面でアプリケーションやワークフローに影響します。