2010年当時のライフサイエンス系の大規模なイベントに参加したことがある方なら記憶にあるかもしれませんが、3D細胞培養研究について触れているポスターや発表はあまりなかったのではないでしょうか。当時は学術的な興味の対象であっても、少なくとも大手製薬会社の研究者が真剣に取り組むものではありませんでした。
それから10年の歳月が流れた今、隔世の感があります。今や3D細胞培養は、目立たないポスターや発表でひっそり扱われるものではなく、3Dの有望性が国際会議で大々的に取り上げられる時代なのです。大手製薬会社も例外ではありません。ドイツで開催予定だった会議「3D Cell Culture 2020」は、コロナ禍で延期となったものの、実行委員会や講演には製薬業界の関係者が名を連ねていました。
コーニング ライフサイエンスの上席アプリケーションサイエンティスト、Hilary Sherman氏は「数年前から関心が高まっていました。そして、今年初めに参加したSLASでは、話題は3D一色といった雰囲気でした。」と言います。