Modeling Kidney Disease with Bioengineered Kidney Organoids | 3D Cell Culture System Solutions | Corning

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腎臓オルガノイドのパイオニアであるBenjamin Freedman博士が、腎臓病の研究における生体工学、3D細胞培養の形成および応用について説明します

米国人口における腎臓病の有病率は約14%ですが、病気の進行を抑えるのに必要な早期の介入はほとんどありません。現在の方法はより慢性的な段階の腎臓病を対象としており、早期の介入より複雑性が増します。例えば、人工腎臓装置は人間の腎臓と同等には機能せず、また腎移植では抗拒絶反応薬の投与が必要です。

初期段階の腎臓病を理解することを研究の目標としているthe University of Washingtonのアシスタントプロフェッサー、Benjamin Freedman博士にお話を伺いました。「医療現場では、腎臓病の末期や、その慢性疾患の管理に多くの焦点が向けられています。私達はより初期の段階に見られる様々な兆候に着目しています」とFreedman博士は言います。

腎臓オルガノイド分野におけるパイオニアであるFreedman博士は、腎臓病を研究するために3D細胞培養システムに着目しました。Freedman博士は、「オルガノイドは病気の徴候を示すことができる点で優れているのです」と説明します。「病気の兆候を示すオルガノイドなら、興味のある様々な化合物を使用した介入が可能です」in vitroで病気を模倣できる頑健なモデルである腎臓オルガノイドは、2~3年前まで存在すらしていませんでした。 

Freedman博士は、多能性幹細胞から腎臓オルガノイドを形成した西半球で最初の科学者でした。「それは非常にエキサイティングな瞬間でした」とFreedman博士は振り返ります。「私はこれらの構造を見た途端に、そこに何か興味深いものがあると確信しました。それらが確かに腎臓であるのかどうかを調べるための全てのツールが手元にありました」

そして、それらは確かに腎臓だったのです。

 

腎臓オルガノイドを生体工学で作る

 

腎臓オルガノイドの開発および維持は、生体工学技術を必要とします。オルガノイドは幹細胞から発生および自己集合しますが、発達する際にin vivoでは存在した血管灌流がin vitroでは存在しません。生体内では極小のマイクロ流体の尿細管が腎臓を通っており、それにより液体の出入りを可能にしていますが、ディッシュ上で培養した腎臓オルガノイドではそれがありません。 

「体内の腎臓には、常に心拍出量の約20~25%の血液が流れています」とFreedman博士は説明します。「オルガノイド構造において足りないものの1つは、オルガノイドと極小の尿細管を灌流する能力です」

Freedman博士の研究室では、この問題への解決に既に取り掛かっています。「私達は腎臓オルガノイド2.0の作製を試みています。それには幹細胞と幹細胞が本来持っている構造を形成する能力を組み込むだけでなく、それらの構造の上に生体内にある非常に複雑な種類の機能を持った尿細管を形成することを可能にする生体工学デザインを追加する予定です」

 

In vivo環境の模倣

 

腎臓オルガノイド2.0は、細胞外基質をスキャフォールド(足場)とした腎臓オンチップデバイス上で成長します。幹細胞由来の腎臓細胞をこのマトリックスでコートされたチップ上に播種することにより、形状および配置を制御しながら細胞を成長させることができます。「幹細胞と生体工学の両分野間の融合です」とFreedman博士は説明します。「およそクレジットカード大のチップには極小の尿細管構造があり、それを通して液体を灌流することができます。グルコースやイオンなどの溶質の吸収を観察することができます。そしてそれらが尿細管の片側から反対側へとどのように輸送されるかを観察することもできます」

オルガノイドを形成するには、細胞培養ディッシュの底にCorning® マトリゲル基底膜マトリックスを薄層コートしたものを使用します。細胞をこの薄層上に播種した後、2層目のマトリゲルの薄層を載せます。「これにより、細胞が折りたたまれて直径約200マイクロメートルの、より3次元的な構造を作ることができます」とFreedman博士は言います。「これらには私達が関心を持っている腎臓組織の全ての重要な細胞種類を含んでいます」

マトリゲル基底膜マトリックスは、多能性幹細胞から腎臓オルガノイドを生成するプロセスにおける極めて重要な要素となります。「マトリゲル基底膜マトリックスは、細胞の生存をサポートします。細胞はその中へ伸展でき、より3次元的な構造を形成できる可鍛性のサポート、すなわち細胞の増殖に従って、細胞がマトリックスの構造を変更し、作り替えることが出来るものを必要とします」とFreedman博士は説明します。

腎臓オンチッププロトコールのために、Freedman研究室は比較的強く硬い細胞外基質を使用しています。「私達はCorning 高濃度コラーゲン Iを使用しています。細胞が私たちが求める正しい形を形成するためには、硬いゲルが必要だからです」とFreedman博士は言います。「柔らかすぎると、そこに液体を通しただけで全体がバラバラになってしまうのです」

別の方法としては、形成されたオルガノイドを、細胞が外側に増殖して集合するよう刺激するために、より大きなCorning コラーゲン Iの液滴の内部に置きます。「このようにして細胞のオルガノイドの外への遊走能を調べます。遊走は一部の疾病プロセスで派生的に生じるものです」とFreedman博士は言います。「尿細管細胞は通常は移動しませんが、このような環境に置くと実際に外へ遊走することができるのです」

 

接着しているよりも浮遊している方が良い

 

Freedman研究室のプロジェクトの一つに、腎臓オルガノイドモデルを用いた多嚢胞性腎臓病の研究があります。「多嚢胞性腎臓病では、通常は非常に細い尿細管が大きな風船様の構造に膨張します。それらは最終的には全ての健康な腎臓組織を押しつぶして破壊します」とFreedman博士は説明します。「私達は遺伝子を変異させた幹細胞からオルガノイドを形成させることで、腎臓オルガノイドでこの状態を実際に再現することに成功しています。オルガノイドはちょうどこの病気の腎尿細管のように膨張します」

しかし、この膨張プロセスはオルガノイド自体が存在する微小環境に依存します。Freedman博士は付け加えます。「オルガノイドを培地中に浮いている条件で培養させると、疾患プロセスの進行は加速し、悪化します」研究室では、オルガノイドを浮遊した状態で培養するためにCorning 超低接着プレートを使用しています。「オルガノイドは超低接着プレートの中ではこうした大きな風船様嚢胞構造を非常に良く形成します」とFreedman博士は言及します。「通常の細胞培養表面で培養した場合は、これほどうまくは行きません」

 

3D細胞培養の次なるビックニュース

 

ハイスループット化学および遺伝子スクリーニング技術が、まもなく3D細胞培養分野にも及ぶでしょう。「私達は一度に1種類の薬剤とその効果を研究する段階から、オルガノイドを用いて何千種類もの化合物を調べることが出来る段階に移行していきます」とFreedman博士は言います。

「これは哺乳動物モデルではできませんので、オルガノイドの使用で先入観のない発見が実現することへの期待が高まります。ビッグデータのフェーズはもうすぐそこです」