実験に用いる培養細胞はとても貴重。それだけに、最適な培養条件を整えたいものです。では、細胞培養法の選定に当たって、浮遊培養と接着培養のどちらを選べばいいのでしょうか。
それは条件次第です。
容器選定は、スケールやリソース、タイミング、細胞の種類、必要な培養検査やパラメーター制御の頻度・規模など、数え切れないほどの操作因子や生物学的因子に左右されます。多くの足場依存性の細胞タイプはフラスコなどの接着培養プラットフォームから培養を始めますが、必ずしもスケールアップに対応しているわけではありません。一方、浮遊培養プラットフォームは拡張性に優れていますが、細胞を浮遊培養に適合させる過程ははるかに複雑になる可能性があります。
「どちらかがとりわけ優れているということではない」と語るのは、コーニング ライフサイエンスの開発マネージャー、Hannah Gitschier氏です。「まず、ゴールは何かを考える必要があります。そして、研究室やクリーンルームのスペース上の制約、設備投資の予算、研究から治験、さらには量産規模へと至るまでの想定スケジュールも考慮しなければなりません。」
どちらの培養法にも長所と短所があります。また、両方の長所だけを生かすことも可能です。早速、考慮しておきたいポイントを見ていきましょう。