Corning マトリゲル基底膜マトリックスの選択
本ページの情報は、Corning マトリゲル基底膜マトリックス よくある質問と回答およびCorning Matrigel Matrix(CLS-047)のCorning Matrigel Matrixに関するQ&Aの内容に加筆・編集したものです。
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Corning マトリゲル基底膜マトリックスの種類にはどんなものがありますか?その中から自分の実験に適したマトリゲル基底膜マトリックスはどのように選んだらよいでしょう?
Corning マトリゲル基底膜マトリックスは様々なアプリケーションに使用されています。以下はCorning マトリゲル基底膜マトリックス製品一覧と実績のあるアプリケーションの例です。適したCorning マトリゲル基底膜マトリクスを選択する際の参考にしてください。
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Corning マトリゲル基底膜マトリックスのロット特異的タンパク質濃度を使用することが重要なのはなぜですか?
Corning マトリゲル基底膜マトリックスは、品質証明書(COA)に記載されている通り、ロットごとにタンパク質濃度や希釈係数が異なります。タンパク質濃度はロット間で異なり、対象とするアプリケーションに必要なマトリゲル基底膜マトリックスの量の計算にはそのロットのタンパク質濃度を使用します。
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フェノールレッドフリーのCorning マトリゲル基底膜マトリックスを使うのは、どのような場合ですか?
色の検出が必要なアッセイを行う場合、フェノールレッドフリーのCorning マトリゲル基底膜マトリックスの使用をお勧めします。たとえば、蛍光色素またはDrabkins試薬を使用してin vivoで内皮細胞のチューブ形成を定量するような場合です。子宮内膜の培養にはフェノールレッドフリーの培地を使用する必要があります。フェノールレッドにはエストロゲン様作用があります。フェノールレッドは非ステロイド系エストロゲンに似た構造を持ち、高いエストロゲン活性があります。例えば子宮内膜培養の場合には、フェノールレッドを含まない培地を使用します。さらに、フェノールレッドは実験動物の体内においてホルモン産生や代謝に影響を与える内分泌撹乱化学物質である可能性も示唆されています。
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Corning 高濃度マトリゲル基底膜マトリックスは、どのようなアッセイに使用するのですか?
Corning 高濃度マトリゲル基底膜マトリックスは、高いタンパク質濃度により腫瘍の増殖が促されるin vivo用途に適しています。タンパク質濃度が高いため、マウスに皮下注射した後もCorning マトリゲルマトリックスのプラグがそのままの形状を維持できます。このような特長から、注入した腫瘍細胞および/または血管新生活性化合物が局在化しやすく、in situ解析や、後で摘出を行なう実験に適しています。
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どのタイプのCorning マトリゲル基底膜マトリックスでもヒトES細胞の培養に使用できますか?
全てのタイプが使えるわけではありません。コーニングでは、Corning マトリゲルヒトES細胞最適化マトリックス(カタログ番号 354277)をご用意しています。この製品は、ヒトES細胞の培養能力に関して品質試験を行い、細胞培養能力の一貫性、再現性、信頼性を確認しています。品質試験には、STEMCELL Technologies社のmTeSR®1培地を使用しています。Corning マトリゲルヒトES細胞最適化マトリックスでコートしたプレートにmTeSR1培地を入れ、ヒト胚性幹細胞を5世代継代培養しました。ヒト胚性幹細胞は、標準的形態と表面マーカーの発現から、未分化状態を維持していることが確認されました。
また、Corning BioCoat®ヒトES細胞用マトリゲルコート6ウェルプレート(カタログ番号 354671)はすぐに使用でき、ヒトES細胞(WiCell InstituteからのH9、H14またはH1)の自己再生能と多能性を維持する、ロット間の一貫性を確認しています。
ES細胞用でないCorning マトリゲル基底膜マトリックスでも、ヒトES細胞の培養用途に使うこともできますが、結果が異なる可能性があります。
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どのタイプのCorning マトリゲル基底膜マトリックスでもオルガノイド培養に使用できますか?
全てのタイプが使えるわけではありません。オルガノイド形成用以外のCorning マトリゲル基底膜マトリックス製品でもこのアプリケーションに使用できますが、結果がばらつく可能性があります。Corning マトリゲル基底膜マトリックス オルガノイド形成用はオルガノイド培養に均一性と信頼性のあるプラットホームです。マウス小腸オルガノイドを7継代以上の長期の増殖を維持することを、オルガノイドに典型的な出芽した形態とマーカーの発現により確認しています(CLS-AN-542参照)。
また、初代ヒト気道上皮細胞の極性化した3D構造をサポートすることを、特徴的なマーカーの発現により確認しています(CLS-AN-534参照)。加えてロットごとに、ゲルの固さを示す弾性率を測定しており、オルガノイド培養プロトコールで一般的に用いられる"3Dドーム構造"を安定的に形成することを確認しています。
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Corning マトリゲル基底膜マトリックス オルガノイド形成用(カタログ番号 356255)の弾性率は、その他のマトリゲル基底膜マトリックスと何が違うのでしょうか?
現在はCorning マトリゲル基底膜マトリックス オルガノイド形成用のみ弾性率を測定しています。回転レオメーターを用いたCorning 高濃度マトリゲルやコラーゲンIゲルの測定結果から、弾性率はタンパク質濃度の影響を受けていることが示されています(CLS-AC-AN-449参照)。
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癌細胞の生着率を高めるためにヌードマウスにCorning マトリゲル基底膜マトリックスをインジェクションしようと思います。どのCorning マトリゲル基底膜マトリックスが適当ですか?
まずは通常のタンパク濃度のCorning マトリゲル基底膜マトリックスをお試しください。Corning マトリゲル基底膜マトリックスは、室温で速やかにゲル化しますので、使用する器具を充分冷やしてください。移植後取り出す際、ゲルが崩れやすいなど不便を感じる時は、高濃度マトリゲル基底膜マトリックスをお試しください。
マウスへのCorning® マトリゲル基底膜マトリックス移植と組織の固定方法
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