Lab Waste Disposal Sustainability Solutions | Corning

いつでも予定がぎっしり詰まっているような多忙な研究室では、廃棄物処理についてじっくり考えたくても、ついつい後回しになっているかもしれません。しかし、研究室の廃棄物処理を改善することは、環境負荷を抑える大きな機会につながります。さらに、きちんと計画された廃棄物処理システムであれば、研究室の安全やコンプライアンスを支える重要な柱になり、コスト節減や研究室内の整理整頓など別のメリットが生まれる可能性もあります。

そこで、研究室の廃棄物処理の慣行を改善し、サステナビリティ向上をめざす取り組みをご紹介します。

環境負荷の削減に寄与するメーカーの
リサイクルプログラム

研究室では、実験用品を使用するまで無菌状態を保つための紙やプラスチックの包装をはじめ、大量の廃棄物が出ますが、有害廃棄物が発生するような研究室であっても、リサイクルなど、サステナビリティを意識した慣行は驚くほど簡単に取り入れることができます。例えば、一部のライフサイエンス関連メーカーには、リサイクルプログラムがあり、研究室から使用済みの特定の物品をメーカーに返却してリサイクルする制度です。

サステナブルな慣行を取り入れている研究室の多くがコーニングのリサイクルプログラムに参加しています。これは、チップボックスや滅菌ラッパー(滅菌包装用ラップ材)、その他の包装材をコーニングに返却してリサイクルするプログラムです。

コーニングのボストン都市圏担当アカウントマネージャー、Allyson Clappinは、コーニングリサイクルプログラムが研究室のワークフローに馴染む内容になっているとして、次のように説明します。「基本的には、研究室のクリーンベンチ下に、大きめの段ボール箱を1つか2つ置いてもらいます。実験中は、1つひとつの物品を包装から取り出したら、包装材は脇に置きます。そしてベンチでの作業が終わったところで、包装材を下にある段ボール箱に入れます」。

セロロジカルピペットの個別包装パッケージ、空のチップボックス、Falcon® チューブの包装パッケージや発泡スチロールもまとめてコーニングに返却できます。

Clappinの説明によれば、コーニングのプログラムの場合、研究室から出る再生可能な資源ゴミがどの程度含まれているのかに応じて、返却ボックスの返送方法や返送時期を変更できるなど柔軟性に優れています。「ジョイントボックスはコーニングが定期的に回収します。(ベンチ下の箱は)どのような段ボール箱を使用しても構いません。ウェブサイト上で作成した送り状をプリントアウトして箱に貼って発送するだけです」(Clappin)。

研究室から出る他の廃棄物の処理

通常、リサイクルプログラムは、滅菌ラッパーなどの包装材を回収しますが、その他の廃棄物はどうでしょうか。

「仕事でお付き合いのある研究者の多くが、研究室から出るプラスチックゴミの減量に積極的に取り組んでいます。バイオハザード物質やヒト検体を扱う場合は、大幅な減量はなかなか難しい」とClappin。ただし、少しでも変えることは可能で、それがゆくゆくは大きな違いを生みます。研究室内の標準手順を注意深く見直すと、シングルユース品を再利用可能な製品に置き換えるなど、廃棄物減量の可能性が見えてくることがあります。

例えば、毎日、少量の培地調製が必要な場合、「多くの研究室では、二重ろ過システムを使い、使い捨てプラスチック容器で培地の分注作業を行っています」「ガラス器具を使う研究室であれば、分注を用意する際、使い捨ての培地ボトルより、その場で滅菌可能なガラス容器を使うのが一般的です」(Clappin)

もう1つのプラスチック廃棄物削減方法としては、そもそもプラスチック使用量を抑えた設計の製品を選ぶことです。例えば、コーニングが設計を見直したU型フラスコは、Tフラスコと比べてプラスチック使用量を23%削減しています。細胞培養の集約化の際、Corning® HYPERFlask®を採用すればプラスチック使用量を削減できるうえ、効率も向上し、T-175フラスコ10個分に匹敵する表面積が確保できます。ほとんどの研究室では、大量のチップやチップラックを使用しています。Axygen® ハイブリッドラックピペットチップに切り替えるだけで、従来のチップラックに比べて70%もプラスチック使用量を削減できます。

同様に、グリーンケミストリー(環境に配慮した化学)に沿った方針・テクニックを活用することで、有害な化学廃棄物の排出を削減できます。例えば、化学プロセスを見直し、有害性の高い化学物質から有害性を抑えた化学物質に置き換えることや、化学合成を効率化し、プロセスの最後に残る汚染廃棄物の量を最小化することが挙げられます。グリーンケミストリーは、産業界だけでなく、アカデミア、さらには生物学系研究室でも採用が広がっています。

研究室の環境で適切な廃棄物処理が重要な理由

適切な廃棄物処理は、研究室の安全とコンプライアンスを支える重要な柱となります。バイオハザード廃棄物と非バイオハザード廃棄物の分別や適切な取り扱いなど、有害廃棄物の処理については、所属機関の要件や政府が課す要件を守るだけでなく、プロセスのあり方にも目を向け、有害廃棄物処理の流れに乗せる必要のない再生可能資源の回収量を最大化することも大切です。トレーニングを通じて、再生可能なものとそうでないものに関する知識をスタッフに周知し、研究室内の便利な場所にリサイクルボックスを設置します。

シンプルでわかりやすいリサイクルシステムの導入は、別の形でも役に立つとして、Clappinは次のように指摘します。「いつも清潔で整理整頓された研究室を維持するうえでも有効です。細胞培養の研究室は、かなり小さく、少々手狭なことも多いですから、(物品ごとの)処理専用場所を決めておくといいでしょう」。

環境への配慮が、効率化やコスト節減と密接な関係にあることに気づいた研究室もあります。こうした目標の達成を促進するため、シングルユース品をリユーザーブル品に置き換えられるか調査するとともに、期限切れで無駄にならないように在庫管理を徹底します。頻繁に使用する物品は大口注文できるかどうか、包装や配送回数を削減するために複数の研究室や部門で一括注文できるかどうかも検討します。使用直前の注文は、配送を急がせることになり、CO2フットプリント(生産から廃棄までの排出量)の増加につながるおそれがあるため、計画を早めに立てて使用直前の注文を削減します。こうした対策は、研究室のカーボンフットプリントの抑制と同時に、コスト削減を推進する一助にもなります。

未使用の実験用製品は捨てずに、余剰分を地元の学校などの団体に寄付する手もあります。また、所属機関に協力を仰ぎ、他の研究室に未使用の製品を譲るスペースを借りられるか、あるいは不用品一掃イベントを開催してもらえないか確認してみましょう。

環境意識の高い研究室をめざすためのリサイクル

コーニングは、製品設計から寿命までサステナビリティに積極的に取り組んでおり、コーニングのリサイクルプログラム(米国)を通じて2016年以降に約72.5トンのプラスチックをリサイクルしています。コーニングの包装材リサイクルプログラムの詳細については、プログラム専用のウェブページをご覧いただくか、お客様担当アカウントマネージャーにお問い合わせください。コーニングのサステナビリティ関連資料ページでは、コーニングが実施する環境保護プログラムの概要や参加方法をご紹介しています。