ACT Label Certified Lab Product: Axygen HybridRack | Corning

ライフサイエンスの研究室や組織にとってますます重要な課題となっているサステナビリティ。ほとんどの研究室では大量の資源や材料が使用されており、環境に配慮したラボ製品を選定すれば、環境負荷を抑制できる機会が多数あります。

2025年7月、Axygen ハイブリッドラック ピペットチップMy Green Lab® ACT®エコラベル認証を取得しました。これは第三者機関の厳格な審査に基づく認証であり、製品購入の際には、科学的根拠に基づく明確な情報が提供されるため、お客様は製品の環境負荷を正しく把握できます。

2024年春に発売されたハイブリッドラック ピペットチップは、ポリプロピレン製デックに紙製のベースを組み合わせることにより、機能性とサステナビリティを両立しています。ハイブリッドラックは、Axygenユーザーである研究者から期待されている安定した高品質な性能を備えており、品質、快適性、信頼性が損なわれることはありません。

Axygen ハイブリッドラックのACT認証取得までの道のりのほか、ACTエコラベル認証のラボ製品とコーニングのサステナビリティの取り組みや研究関連産業全体の取り組みとの整合性について、コーニングのビジネスパートナーシップ&サステナビリティ担当戦略展開リーダー、Antoine Clauxに聞きました。

ACTエコラベル認証とは

ACTエコラベルのACTは、Accountability(責任)、Consistency(一貫性)、Transparency(透明性)の頭文字を組み合わせたもので、製品の製造、輸送、日常使用(該当する場合)、廃棄処分の環境負荷について、精度の高い包括的データを提供しています。

研究関連産業や科学研究のサステナビリティ向上に特化した定評ある非営利団体、My Green Labは、「ラボ製品やライフサイエンス産業向けの製造工程におけるサステナビリティに重点を置いた初の複数属性型のエコラベル」として、ACTエコラベルプログラムを創設しました。ACTエコラベルは、食品の栄養価表示ラベルのように、製造、ユーザーへの影響、廃棄、イノベーションなどセクションごとに情報を表示します。評価に当たっては、ほとんどのカテゴリーで1(環境負荷が最小)から10(環境負荷が最大)までの10段階の尺度を用いて、責任ある化学物質管理や水使用量など、さまざまな分野での製品の環境負荷を評価します。この評価値を合計して総合環境負荷係数(EIF)を算出します。EIFのスコアが小さいほど、サステナビリティが高いことを意味します。輸送、リサイクル、その他の係数の違いにより、同じ製品であっても国や地域によってスコアが変わることもあります。

2024年、米国環境保護庁(EPA)は、グリーン調達プログラム「Environmentally Preferable Purchasing(EPP)」に、ACTエコラベルプログラムを組み込み、同ACTプログラムの高い基準を反映させています。現在、メーカー60社の1700点を超えるACTエコラベル認証取得ラボ製品がデータベースに登録されています。

Axygen ハイブリッドラックのACT認証取得までの流れ

先ごろACT認証を取得したAxygen ハイブリッドラックの設計では、サステナビリティが優先されました。コーニングのエンジニアチームは、従来のプラスチック製チップラックと比べて、同製品のプラスチック使用量を最大70%削減する目標を掲げて取り組みました。

前出のClauxは、ACTエコラベル認証を取得するためには、第三者機関の審査を受ける必要があるとして、「(製品のサステナビリティを)実証する最善の道は、ACTエコラベル認証の取得」と説明しています。

第三者機関の審査には、Axygen ハイブリッドラックを製造しているソルトレイクシティー工場(米ユタ州)の水使用量、エネルギー使用量、ISO認証、過去5年間に実施された環境保全プロジェクトなど、企業としての慣行についての評価作業も含まれます。「製品自体については、資材明細表をチェックし、材料、部品、仕様に関わる詳細をもれなく提出します」とClaux。

ACT認証取得プロセスを経験したおかげで、コーニングにとっては、主に包装材など、さらに改善可能な分野を見極める指針が生まれました。Axygen ハイブリッドラックの紙製包装箱にサステナビリティ向上の余地があると判明した後、コーニングでは、資材仕入れ先との協議を通じて、サステナビリティ強化につながる選択肢を特定することができました。現在、この製品は、森林認証規格である「SFI(Sustainable Forestry Initiative)」認証を取得した紙製包装箱が使用されており、材料の一部に再生材が使われています。

Axygen ハイブリッドラックにACT認証が重要な理由

Axygen ハイブリッドラックのピペットチップシステムは、フィルターチップ、ノンフィルターチップの各種容量をそろえています。製品のACT環境負荷係数(EIF)の米国向け総合スコアは、10 μL Axygenハイブリッドラックチップの22.6から、100 μL Axygen ハイブリッドラックチップの27.8までの範囲となっています。

Clauxは、「この(EIF)スコア自体、重要なものですが、私に言わせると、さらに重要なのが詳細の部分なのです」と指摘します。ラベル表示で目を引く情報として「製造段階の環境負荷低減」と「責任ある化学物質管理」の項目があり、どちらも1.0という低い数値を達成しています。ACTデータベースによると、Axygen ハイブリッドラックを製造するソルトレイクシティー工場の達成事項として以下の点が挙げられています。

  • 製造時のエネルギー使用量原単位が2023年から2024年に31.1%低減
  • 水使用量が2023年から2024年に3.7%低減
  • 有害廃棄物排出量が2022年から2023年におよそ49%低減

もう1つ注目したいのは、包装のサステナビリティが改善されている点です。これは、米国のスコアの場合、「包装材料」と「使用済み包装」の両項目で1という最良のスコアに反映されています。コーニングは、米国で同製品の紙製包装材の引き取りプログラムを実施しています。さらに、EUと英国では、包装材のリサイクルに対応しています。

現行のAxygen ハイブリッドラックのACTエコラベルは、2027年6月まで2年間有効です。Clauxによると、ACT認証の更新手続きのプロセスが、持続可能なイノベーションの新たな機会をもたらす可能性があります。「その背景には、メーカーにスコア改善を促し、継続的に製品のサステナビリティを高めてもらおうという考えがあります」(Claux)。コーニングでは、将来的に3年間有効になる新しいバージョンの認証取得をめざす予定です。

研究室でのACTエコラベル活用術

研究室にとって、ACTエコラベルは、その一貫性ある明確なラベル表示制度を利用することにより、ラボ製品の環境負荷を評価・比較する手段となります。製品のEIFとカテゴリー別のスコア以外の詳細については、ACTエコラベルのデータベースにリストアップされている製品の製造、部品、使用量、廃棄の各事項について閲覧できます。

Clauxは、製造から廃棄処分まで、製品のグローバルなインパクトがACTエコラベルに反映されている点を強調しています。「例えば、研究室が排出するプラスチック量を削減したい場合、ACTのラベル表示を見れば、対象製品の軽量化やプラスチックの削減がどの程度可能かがわかります。さらに、製品が使用済みとなった時点で、包装材をリサイクルする機会も示されています。また、責任ある化学物質管理に関する評価カテゴリーもあります。これは、製品の製造方法に関わるもので、生産施設への強力な環境マネジメントシステムの確実な導入につながります」(Claux)。

なるべくサステナブルなラボ製品を選び、その裏付けとなるデータを確保することは、研究室がそれぞれのサステナビリティ目標に向けて取り組む一助となります。この考え方に沿って、すでにいくつかの大学や研究機関がACT エコラベルの情報を調達慣行に反映させる方針を表明しています。

コーニングのサステナビリティへの取り組み

コーニングは、お客様に対する環境面の透明性を高め、サステナビリティ目標達成に向けて前進するため、2025年末までに認証取得製品をさらに拡充すべく取り組んでいます。

これは、すべてコーニングのESG(環境・社会・企業統治)の取り組みの一環に位置付けられ、環境保護庁(EPA)が定めるスコープ1(温室効果ガスの直接排出)、スコープ2(公益事業者などからの購入・使用に伴う間接排出)、スコープ3(自社を除くバリューチェーンからの間接排出)の各カテゴリーの削減をめざします。「当社では、スコープ1、2、3の排出量の削減を企業目標に掲げています。こうした目標は、SBTi(SBTイニシアチブ、科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)に提出して承認を受けたうえで、毎年、目標達成への進捗状況や取り組みについて報告しています」とClauxは説明しています。コーニングが毎年公表しているグローバルインパクトレポートには、排出量データ、サステナブルな製品イノベーションに関する最新情報、その他の環境・社会面の影響に関する情報が掲載されています。

「それだけでなく、ESGは、コーニングの経営を支える重要な柱になっています」とClaux。この取り組みが先ごろ具体的な成果をもたらしました。サステナビリティ管理に関して、サステナビリティ評価機関EcoVadisの2025年度「ゴールドメダル」を獲得したのです。この栄誉は、EcoVadisが世界的に監査対象としている企業全体の上位5%に相当する企業に授与されるものであり、コーニングがこれまでに獲得したEcoVadisの「ブロンズメダル」、「シルバーメダル」をさらに上回る成果となりました。

コーニングとともに、研究室によるサステナビリティへの取り組みを強化

コーニング ライフサイエンスでは、当社製品をご購入いただく皆様を対象に、研究室のサステナビリティ評価基準を改善する新たなツールの提供に力を入れています。例えば、「サステナビリティのためのデザイン(Design for Sustainability)」と呼ばれるプロセスに沿って製造されるコーニング製品が増えています。これはプラスチック使用量の低減やリサイクル材料の使用拡大などの変革を柱としています。2023年秋に発表した「Corning EcoChoice™」プログラムでは、お客様方がそれぞれのニーズに応じて、コーニング製品の中から最もサステナブルなラボ製品を絞り込むことができます。

コーニングのサステナブルな製品に関する詳細、Axygen ハイブリッドラックの無料サンプルのご請求は、当社営業担当までお問い合わせください。