1. フリーザーの開け閉めを減らし、ドラフトチャンバーはサッシを閉め、ちょっとした配慮の積み重ねで節電につなげる
機器は、定期的なメンテナンスと手入れを怠らず、効率的な動作を維持します。研究室にあるフリーザーの扉周囲のガスケットを点検し、霜がついていたらきれいに取り除きます。ドラフトチャンバーのサッシを閉めれば省エネになり、コスト削減にもつながります。ハーバード大学で実践したところ、電気料金が24万ドル以上の節約になり、大学が排出する温室効果ガスを約330.7トン以上削減しました。
次のような小さな積み重ねでも、大きな効果につながります。
- マスタースイッチ付きの電源タップを使用する。
- タイマーを使って機器の電源を自動的にオフにする。
- 夜は照明やコンピュータの電源をオフにする。
- 使い終わったら電源を切るように、使用者に注意を促すシールを貼っておく。
2. 真空ポンプなど節水型の改良を加え、家庭で当たり前のように実践している習慣は研究室にも取り入れる
機器の軽微な改良であっても節水につながることがあります。ノースカロライナ州立大学によると、例えば真空アスピレーターの代わりに真空ポンプを使えば、1時間当たり908リットル近い節水効果があります。また同大学は、オートクレーブに節水バルブを取り付けたところ、最大90%節水できたと報告しています。冷却水の循環利用も、1回だけ水を通過させるワンパス冷却と違って節水に役立ちます。
自宅でどのように水を使っているのか考え、研究室でもその意識を働かせることが大切です。蛇口から水漏れしていたら修理します。米国環境保護庁によれば、蛇口の水漏れで無駄になっている水は、1年間に約3兆7850億リットルに達するそうです。
3. リサイクルプログラムなど環境保全の取り組みに熱心なメーカーと取引し、大口発注・一括購入を検討する
大口発注にすると、送料を節約できるだけでなく、梱包資材や配送回数も少なくなるので、サステナビリティにつながります。ただし、問題は、在庫を上手に計画しなければならない点です。研究室の在庫管理の指針(例えば「Lab Manager」が紹介している在庫管理ガイドなど)があれば、何をいつ発注すればいいかの目安になります。
サプライヤーは慎重に選びましょう。リサイクル原料から製品を製造するなど、持続可能な取り組みを行っている業者から購入することは、研究室の環境負荷軽減に効果があります。
また、不用梱包材などの無料返却プログラムを実施しているメーカーを検討することも大切です。製品包装などに使われているポリ袋や包装用収縮フィルム、発泡樹脂製ラック、チップ用ラックなど、リサイクル可能な部材を返却できるサービスを多くのメーカーが用意しています。例えば、コーニングリサイクルプログラムでは、米国のお客様を対象に、FedExまたはUPSの着払い送り状(配送料はコーニングが事前支払い済み)を提供しており、これを使ってCorning®、Falcon®、Axygen®の各ブランドの所定の製品・包装材を返却できます(注:現在、本プログラムは米国内に限定して実施されています)。