110年ほど前、コーニング ライフ サイエンスはガラスの革新に取り組む先駆者となりました。現在では、PYREXガラス製品を中心とした実験器具のメーカーとして知られています。
「pyrex」と言えば、定評ある料理用具を思い浮かべる方がいるかもしれません。コーニングはこうした料理用具を開発する一方、別の分野であるPYREX実験用ガラス製品を投入して実験作業に革命を起こしました。このようなガラス製品は、必須の実験器具として1世紀以上にわたり研究の世界で圧倒的な地位を築いてきました。
PYREX実験用ガラス製品には、どのような特長があるのでしょうか。また、これほどの高い信頼を得ている理由はどこにあるのでしょうか。今回は、知っておきたいPYREX実験用ガラス製品の7大特長をご紹介します。
1.先進の耐熱性
PYREX実験用ガラス製品は、ホウケイ酸ガラス材料の割合が81%近くに上ります。その主成分であるシリカは、−40°C〜300°Cという極端な温度にも耐えられます。また、PYREXガラス製品は、熱膨張率が低く、加熱・冷却時の膨張や収縮が最小限に抑えられています。このため、PYREX実験用ガラス製品は破損のリスクが極めて小さいという特長があります。しかし、非常に高温のビーカーを冷たい表面に置くなど、急激な温度変化を与えると、破損することがあります。このような事態を防ぐため、PYREX実験用ガラス製品は、常にゆっくりと冷却しましょう。
2.耐薬品性に優れ、コンタミネーションフリー
PYREX実験用ガラス製品は、耐薬品性に優れ、実験作業で使われる多くの化学薬品と反応を起こしません。表面は非多孔性のため、吸収やコンタミネーションの恐れもありません。実験作業では、PYREX実験用ガラス製品でほとんどの酸、塩基、有機溶剤を安全に扱うことができます。しかし、リン酸やフッ化水素酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、強アルカリや熱濃酸の使用には制限があります。加熱した酸は、ガラスの化学的腐食を引き起こし、耐久性を弱めることになります。
3.高精度を追求する実験の究極のパートナー
PYREX実験器具は無色透明なため、高精度の計量・観察が容易になります。ガラス製体積計の目盛線加工法としては、ホイールによる刻み込み、研磨剤ブラスト(吹き付け)、エナメル焼き付け、永続的なステイン法が使われています。どのガラス製品も均一性、一貫性があり、実験上の挙動は安定しています。
4.信頼の品質
すべてのPYREXガラス製品は、米国試験材料協会(ASTM)が採択する厳格な品質管理規格に適合しています。こうした規格は、信頼性、再現性、品質保証、コンプライアンス、認証の要件となります。PYREXガラス製体積計の品質をさらに確固たるものとするため、ISO/IEC 17025認定ラボラトリー(試験所・校正機関)で試験・校正を受けています。