血清の発注先を決定する際、供給の安定性を重視する研究者がかつてないほどに増えています。しかし、医薬品製造で大切なのは、メーカーの納入体制の安定性だけではありません。サプライチェーンの安定性も重要なのです。
垂直統合型のサプライチェーンであれば、ワクチン製造や他の生物学的製剤の製造のための首尾一貫した長期在庫に対応しています。ところが、パンデミック下など世界的に在庫確保が厳しい局面では、すべてのメーカーが確実な納入体制を築けるわけではありません。
だからこそ血清の調達先については特に慎重を期すべきとコーニング ライフサイエンス血清事業責任者のMark Koza氏は言います。
「生物学的製剤製造を支える血清の需要は、コロナ禍の前から急拡大していましたが、パンデミックで拍車がかかりました。供給が絞られた結果、最大手メーカーの一部にも影響が及び始めている今、製薬会社は自社の製造プロセスの基準を満たせる調達先探しに乗り出しています。サプライチェーンの一貫性、トレーサビリティ(履歴管理)、品質の検証は今後も重要な鍵を握ります。」とKoza氏は言います。
高品質の血清が必要なときに確実に入手できる体制を確立するためには、製薬各社は研究室用に在庫を確保・補充する前に、調達先に対して突っ込んだ質問をいくつかぶつけてみる必要があります。具体的には、次の6つのポイントを確認します。