How to Be a Great Lab Manager

研究室の要となるのが、ラボマネージャー。きちんと管理が行き届き、実験用品の在庫も常に補充されている研究室は、カオス状態の研究室と比べて、実験が成功する確率ははるかに高くなります。ラボマネージャーの役割と任務は、非常に多岐にわたることを常に把握しておかなければなりませんが、これをうまく乗り切る秘訣は、事前の準備と計画にあります。

ラボマネージャーになりたてで腕を上げたい方から、すでにラボマネージャーとして定評があり、さらにスキルに磨きをかけたい方まで、研究室でより有能なリーダーとなるためのヒントやコツをご紹介します。在庫管理、研究室メンバーの監督、あらゆる面での高い質の維持について、ベストプラクティスを見ていきましょう。

研究室の在庫管理のヒント

研究室の在庫管理のヒント

細胞培養用製品が欠品していたり、研究技術者が使用する酵素が期限切れになっていたりするようでは、実験は立ち往生してしまいます。予期せぬ混乱に陥れば、コストがかさみ、時間の無駄につながります。そのような状況に見舞われないためには、早めの計画立案、適正な在庫管理、コミュニケーションの重視がポイントです。

研究室の在庫管理で効率化と質の向上を実現する方法を4つ紹介します。

1. 消耗品の在庫チェックを怠らず、継続発注を設定する

消耗品は常に使用するものであり、定期的な供給が必要です。細胞培養を行う研究室の場合、こうした消耗品には、細胞培養培地や添加剤のほか、フラスコ、プレート、ディッシュ、チューブ、ピペットチップといったディスポーザブル製品や、頻繁に使用する試薬などが挙げられます。こうした物品は、研究室で毎月の使用量に応じて継続発注に設定しておくと便利です。とはいえ、このような物品については、在庫を定期的にチェックし、必要に応じて発注量を調整し、特定プロジェクトに伴う需要の急増が予想される場合は早めに計画を立てておきます。

2. コミュニケーションと事前の計画立案

常用ではない消耗品や小型ツールの場合、発注のタイミングと数量を把握するためには、研究室メンバーとの密なコミュニケーションが求められます。プロジェクトで使用する物品をどの程度早めに発注すべきか、現実的な必要条件を研究室メンバー全員に周知徹底しておきます。実験に常用品ではない特別な物品が不可欠な場合、どのような選択肢があるのか調査して、十分に早い段階で発注し、その物品が必要になる時期までに確実に納品されるように手配します。

3. 保守・校正作業を確実に実施

大型の機器やピペッターなどのツールは、定期的な予防保守や校正が欠かせません。このような機器類を対象に、保守作業のスケジュールを決めます。このスケジュールをしっかり守ることで、予期せぬシャットダウンや故障を予防でき、時間を無駄にしたり、間違った実験結果に終わったりすることもなくなります。

4. 使用期限の短い物品は管理を怠らず、必要に応じて在庫を調整

使用期限の短い実験用品や試薬の場合、期限切れやダメになった物品を見つけたら必ずラボマネージャーに報告するか、在庫管理システムに入力するよう研究室メンバーに徹底します。特定の物品が未使用のまま期限切れになることが多いようなら、在庫量を減らすか、各プロジェクトのタイミングに合わせて発注するよう調整を加える必要があります。

コミュニケーションと準備を怠らない

研究室メンバーと常に密なコミュニケーションが取れるような関係を築き、在庫関連の問題が発生したら即座に対処できるようにしておきます。期待に見合わない物品がある場合にはラボマネージャーに知らせるよう周知徹底しておけば、メンバーと一緒に代替品を見つけることができます。研究室によっては特定の物品が少なくなりやすいために、研究室のメンバーがそのような物品を自分の作業スペースに密かにため込んでいるケースもあります。オープンに意思疎通できる風通しのよい関係があれば、こうした状況は発覚しやすくなります。マネージャーとしては、事態を改善し、同様の問題が発生しないように対処できます。

円滑なコミュニケーションを保ち、秩序のある生産的な研究室環境を維持するには、どうすればいいのでしょうか。

在庫追跡システムを導入する

在庫追跡システムがあれば、在庫状況を把握し、追加発注のタイミングを決めやすくなります。ソフトウェアやクラウドベースのソリューションを使う手もありますが、紙とペンでも、ホワイトボードでも目的は果たせます。どの方式でも、研究室メンバーには、物品補充をリクエストしたり、在庫量減少を通知したりする権限を与える必要があります。プロジェクトで特定の消耗品を著しく大量に使用する場合には、ラボマネージャーに申し出るルールを徹底します。

保管スペースの整理整頓

整理整頓を心がけると、在庫状況を容易に把握でき、物品納入時の置き場所も決めやすくなります。また、他の研究室メンバーにとっても、必要なものをただちに見つけることができます。

使用期限のある物品の場合、期限が一番近いものを手前や上に置き、古いものから使ってもらうようにします。安全ガイドラインを守り、物品を高く積み重ねないように注意します。物品ごとに適切な条件で保管し、品質劣化やコンタミネーションを防ぎます。

再発注を迅速に簡単に実行するため、物品の在庫管理コードと紐づけたQRコードのラベルを保管棚に貼っておくと便利です。こうしておけば、特定物品の在庫量が少なくなってきたら、即座に在庫補充を要請できます。

何でも文書に記録

在庫や購買に関わる文書はすべて保存し、使用するたびに記録を更新します。領収証を整理して経費を記録しておくと、今後、発注しやすくなります。

コーニング ライフサイエンスなどの実験用品メーカーは、オンライン販売サイト内で登録ユーザー向けに「購入リスト」作成機能を用意しています(国内未対応)。頻繁に発注する物品を登録しておくことで、追加発注を迅速・簡単に済ませることができます。

購買と保管スペースのバランスを考える

まとめ買いは経費節約につながりますが、それだけの物品を置く十分な保管スペースがあるかどうかを考慮しましょう。一部のメーカー・販売店は、同一製品の定期発注に値引きを適用することもあり、こうした制度を利用すれば、過剰在庫を抱えることなく、まとめ買いの場合と同じ経費節約の効果が得られます。

また、まとめ買い、値引き、無料プレゼントなどのキャンペーンを実施することもあります。発注前に、このようなキャンペーンがないかチェックしましょう。コーニング ライフサイエンスは、現在実施中のキャンペーンを紹介する専用ページをウェブサイト上に公開しています。

新しい実験技術への理解を深める

絶えず最新動向を把握しておくと、研究室で問題が発生しても克服しやすく、研究活動を継続する一助となります。オンラインの情報源、ライフサイエンス系メーカーのメールニュースへの登録、業界団体やメーカーのSNSのフォロー業界関連ブログウェビナーは、対象領域の技術動向を常に把握し、研究室に役立ちそうな新製品の情報を知るのにうってつけです。

ラボマネージャー向けの信頼できる情報源

開設まもない研究室の管理から、既存研究室での在庫補充まで、コーニング ライフサイエンスは、ラボマネージャーの円滑な業務遂行を支援します。標準品から特殊用途向けまで多彩な実験用品、さまざまな相談に助言できる経験豊富なスタッフを取りそろえ、ニーズに合った質の高い製品でラボマネージャーの研究室運営を支援します。

研究室の実験用品は上手に購入しましょう。