Cost Efficient R&D Scale Up for Insect Cell Recombinant Protein Production | Corning

現在、R&D研究室が抱える最大の課題の1つが、生産のスケールアップです。特に多額の先行設備投資が必要なうえ、適切なスケールアップの手順を踏むには人件費もかさむことがその理由です。例えばステンレス製バイオリアクターは10 L〜20,000 Lのサイズ幅があり、非常に高額かつ、継続的なメンテナンス費用や人件費も発生します。このため、市場では、バイオ医薬品製造のスケールアップにシングルユース方式を採用する動きが急速に広がっています。シングルユース方式の場合、R&D研究室はわずかなコストでディスポーザブル製品を入手できるうえ、セットアップやクリーニングの時間も短縮でき、結果的に製造のコスト効率アップや上市の迅速化につながります。

とはいえ、シングルユース方式であっても、スケールアップを進めるための設備投資は必要になります。細胞培養アプリケーション用のシングルユースバッグの場合、ロッカープラットフォームや排気フィルターヒーター、空気・培地ポンプなどの専用装置への投資も必要です。特に浮遊細胞を効率的にスケールアップするには、攪拌(混合、撹拌、振盪)による十分なガス交換を確立するために、ある程度の初期投資が求められます。このようなアプリケーションには、攪拌プレートや振盪器など、R&D研究室に一般的に備えられている標準的な実験設備が利用できます。

先ごろ、Pfizer Worldwide Research & Development MedicineのCiaran Cronin博士率いる研究チームが、大容量の三角フラスコと標準実験設備を使い、バキュロウイルス発現ベクターシステム(BEVS)の組換えタンパク質生産のスケールアップで、コスト効率に優れた手法を実証しました。Pfizerチームは、昆虫細胞を使用して充填量を最大化し、Corning 5 L三角フラスコの充填量90%で、組換えタンパク質の効果的な生産に成功したのです。この結果、同フラスコは、文字どおり「大容量」を実現する三角フラスコとなりました。最小限の設備で済むため、他のディスポーザブル製品の費用に伴う予算確保を考慮する必要はほぼ皆無です。このように考えると、Corning三角フラスコは、コスト効率に優れたスケールアップを実現するための、素晴らしい選択肢と言えます。

Cronin博士の報告では、「昆虫細胞の組換えタンパク質生産に大容量のフラスコを採用することは、装置やディスポーザブル製品の費用面で多くの優位性があります。」としています。

Cronin博士の研究の詳細に関するテクニカルポスターをダウンロードできます。

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本投稿に含まれるすべての情報は、Pfizer La Jolla掲載情報を編集したものです。