半世紀以上にわたって研究者たちは、2次元(2D)細胞培養を使ってヒトの生理機能を模倣し、薬剤の有効性・毒性を予測しようと取り組んできました。しかし、in vivoの生理機能や細胞機能、細胞間相互作用のうち、2Dでは再現できない面が多くあります。ここ数十年に生み出された先進的アプローチの1つに、ヒト生理機能を忠実に模倣する多細胞3次元(3D)培養モデルと、ハイスループットのスクリーニング・分析法という、2つの技術を組み合わせたものがあります。
ウェルプレートの役割
ウェルプレートは、均一な条件下で増殖する細胞に対し、さまざまな化合物や条件を確認できるため、ハイスループットスクリーニングの促進につながります。1プレート当たり6〜1536ウェルのウェルプレートは、2D細胞培養で一般的な用途が多数ありますが、実は3D培養の用途でも、専用ウェルプレートが開発されています。
3D培養では、ウェルプレートにどのような活用法があるのでしょうか。専用ウェルプレートは、わかりやすいワークフローで、3Dの球形に成長する細胞凝集塊であるスフェロイドの培養に力を発揮します。一方、オルガノイドの培養に用いられるウェルプレートもあります。オルガノイドは、複数の細胞タイプを含有し、自己組織能を持つ3D培養物を指します。
3D細胞培養モデル
ヒト生理機能を忠実に模倣するin vitroモデルの作成をめざし、研究者たちが開発してきた3D培養系には、いくつかのタイプがあります。このようなモデルが実現すれば、忠実な疾患モデルの構築や薬剤応答予測の高精度化につながります。こうした3D培養系のひとつが、多細胞スフェロイドです。