スウェーデン ウプサラ大学の研究者が、がん治療のためのドラッグリポジショニング研究を行う革新的な休眠スフェロイド細胞モデルと独自のハイスループットスクリーニングプロセスを構築
既存の1,600もの化合物のスクリーニングを成功させるという、この規模では初めてのハイスループットスクリーニング解析で、Wojciech Senkowski氏とウプサラ大学医学部、カロリンスカ研究所のチームは、三次元結腸がん培養細胞(多細胞腫瘍スフェロイド)への化合物の影響を分析し、休眠状態の細胞に対して強い抗腫瘍活性を示す抗寄生虫薬があることを突き止めました。1
これだけでも画期的な発見でしたが、続いて行われた、同じ3D細胞培養法を用いた遺伝子発現解析研究により、Senkowski氏らは休眠状態のがん細胞に障害性を持つ化合物をさらに特定しました。これは3D細胞培養を用いたハイスループットスクリーニングの論理的根拠を一層支持するものでした。加えて大規模での3D細胞培養における遺伝子発現研究の新規プラットフォームも提唱しました。2
チームリーダーのMårten Fryknäs 氏は、「これらのふたつの論文は、遺伝子発現と薬物応答の両方において培養条件が重要な意味を持つことを示しています。」 と述べています。