The Life Sciences Supply Chain During the COVID-19 Pandemic | Q&A | Corning

COVID-19の検査、治療、ワクチンなど、この1年間ライフサイエンス分野のサプライチェーンは多忙を極めています。パンデミックに関連した活動の急増や、バイオプロダクションをはじめとするライフサイエンス業界の成長に伴い、製品需要もかつてないほど高まっています。

業界のメーカーやサプライヤーは、COVID-19以前と比較して2倍以上の注文に対応している状態です。例えば、当社ライフサイエンス部門では、一部製品の注文が200%増となりました。特に需要が高い製品として、オートメーションチップ、マイクロプレート、クライオジェニックバイアル、検査キット用チューブなどが挙げられます。

この莫大な需要に加えて、原材料不足、輸送サービスの障害、米国政府指令なども相まって、原材料サプライヤーからメーカー、流通業者、そして最終的にはエンドユーザーである研究者まで、サプライチェーンの至るところで遅延が生じています。

コーニングライフサイエンスは、こうした変化の影響を最小限に抑えるために、生産能力とプロセスを積極的に拡大しています。それでも、当面の間、サプライチェーンが手薄な状況になるのは避けられないと思われます。

コーニング コマーシャル&ビジネスオペレーション担当バイス・プレジデントのLydia Kenton Walshは説明します。

Q: COVID-19パンデミックは、ライフサイエンスのサプライチェーンにどのような影響をもたらしていますか?

Kenton Walsh: サプライチェーンに対する最大の影響のひとつは、大幅な需要増です。ライフサイエンス業界において、これほどの状況は過去30年以上見たことがありません。COVID-19の流行初期段階には閉鎖されたラボも一部ありましたが、他の多くのラボは、かつてないスピードで検査、治療、ワクチン開発を行うために、活動の継続を求められました。こうした重要な取り組みが進む中、コーニングのようなメーカーに対して、様々な実験用製品の注文が急増し始めました。

もうひとつの要因として、当社は、他のメーカーや販売業者と同様に、米国国防生産法(DPA)に基づく優先指定注文に対応しています。当社は、政府が指定した重要製品の生産を優先させる義務があります。これにより、当社と当社販売業者の注文対応に影響が出る可能性があります。

また、世界各地のライフサイエンスサプライチェーンにおいて、完成品の製造に必要な樹脂や包装材などの材料不足が発生しています。こうした要因が重なった結果、通常の年間成長に上乗せするかたちで、新たなレベルの需要が発生している状況です。こうした状況に対応するため、当社は製造および出荷オペレーションの増強を続けています。実際、2021年の最初の数カ月間で、当社100年以上の歴史でも類を見ないほど多くの製品を出荷しました。

Q: このような需要増によって、製品の入手性にどのような影響が生じていますか?

Kenton Walsh: 通常、お客様は代理店に製品を注文し、代理店はコーニングのようなメーカーにまとめて発注します。こうした代理店は、グローバルレベルで非常に多くの製品流通に対応可能なインフラを持っているため、注文や流通プロセスを効率化することができます。通常、コーニングは社内流通センターから代理店に向けて適時に製品を出荷することが可能です。

しかし現在、COVID-19による需要急増に伴い、多くの製品の在庫や原材料が枯渇し、メーカー、代理店ともに在庫切れ状態となっています。

Q: 在庫切れ製品を減らすためにどのような取り組みをしていますか?

Kenton Walsh: 需要が増加し始めてから、コーニングは短期的・長期的視点で、こうした課題への複数の対応策を講じてきました。

短期的には、在庫切れが発生しているすべての製造工場で24時間操業を行うとともに、社内物流センターでは、時間あたりの作業量を増やし、可能な限りの出荷増に努めています。COVID-19の影響もあってこうした対応は難しさを増していますが、当社従業員一同、研究者の方々の重要な取り組みをサポートすべく全力を尽くしています。

また、長期的なソリューションへの投資も行っています。新たなグローバルレベルの生産能力拡大に向けて、2020年と2021年の2年間で合計5億ドル以上を投資します。この投資には、サプライチェーンにおける重要部品米国国内製造、COVID-19検査支援製品、今後のパンデミックへの準備・対応策などに向けた米国と中国における政府共同投資が含まれています。

当面の間、流通パートナーに対して製品を安定供給していくとともに、既存の受注案件に対応するため可能な限り製造・出荷数を増やし、安全在庫レベルを再構築していきます。こうした対策により供給不足が解消されると確信しています。しかし、年内はほぼ、需要が極めて高い製品の在庫不足が続くものと予想しています。

Q: 在庫切れの場合はどうしたらよいのでしょうか?

Kenton Walsh: ご注文いただいた代理店にお問い合わせください。納期が判明しましたら、代理店に配信している出庫連絡表上で最新情報を反映します。

また、新規ご注文の場合のリードタイムについてはホームページ上で公開しております。

Q: サプライチェーンが正常な状態に戻るのに、どのくらいの時間がかかると思いますか?

Kenton Walsh: 現在、私たちは製造の最適化に努めつつ、将来に向けた投資も行っています。しかし、こうした取り組みが幅広いインパクトをもたらすのには時間がかかると思われます―特に、現在のように需要が過去最高レベルに膨らんでいる場合はなおさらです。

一部の製品については、今後数週間~数カ月のうちに、供給が追いつくかもしれません。しかし、他の製品の在庫切れが解消されるのは2021年後半になる可能性があります。

お客様には大変ご迷惑をおかけしておりますが、ご理解、ご協力の程宜しくお願い申し上げる次第です。コーニングは、極めて重要なライフサイエンス事業をサポートするために、総力を上げて製品の早期製造・出荷に取り組んでいることを世界の皆様にもご理解いいただければと思います。

最終的には、私たち全員が、ひとつの「コミュニティ」として、COVID-19と戦う当事者に他なりません。サプライヤー、販売業者、お客様と緊密に協力して、この困難な時期を乗り越え、再び日常を取り戻すべく歩みを進めていきます。