Lab Best Practices: 10 Ways to Be an MVP in Your Lab | Lab Maintenance | Corning

研究室の共同利用は、アパートの共同生活と同じようなもの。いいルームメート(研究仲間)もいれば、そうでもない人もいます。誰もが研究室のベストプラクティスの基本は知っていても、暗黙のルールとなるとどうでしょうか。破ってしまってから初めてその存在に気づくような、暗黙のルールがあるはずです。これこそ地雷のようなものです。

単に厄介なことになるだけでなく、研究室マナーが悪いと、実験の失敗や危険な環境につながる可能性もあります。そのようなマナーの悪い研究者の典型的なタイプはいつの時代も変わらないようで、2017年にはNature誌が、そんなテーマの記事を掲載したほどです。 

研究や同僚のためにも、できるだけ仲間から歓迎される研究者をめざしましょう。そのヒント10カ条をご紹介します。

1. 在庫管理はまめに

消耗品・備品キャビネットのペトリディッシュや培地の在庫が少なくなっていることに気づいたら、ラボマネージャーに知らせましょう。自分で発注できるものは自分でします。こうすることで、常に在庫が保たれた状態になり、研究室メンバー全員に喜ばれます。

2. 間違いは率直に認める

何かを紛失したり壊したりしたときはすぐに伝えましょう。バイオハザード物質の入ったバイアルが破損すれば、危険な状態になります。すぐにチームに通知し、安全かつ無菌環境の維持を心がけましょう。

3. 音は控えめに

なくて七癖というように、自分では気づいていない癖を持っている可能性があります。カウントしながら、あるいは実験をしながら、独り言を言っているかもしれません。自分が立てる音の大きさに注意し、静かな環境を好む研究仲間に配慮しましょう。また、自分の携帯電話に電話がかかってきたら、必ず室外で話しましょう。

4. ゴミは溜め込まない

ジェンガのようにゴミをうず高く積み上げていると、いつ崩れても不思議ではありません。ゴミ出しが必要だと思ったら、すぐに出しましょう。わずか数秒の手間で、全員がその気遣いに感謝するはずです。

5. 靴は目的に合ったものを

つっかけサンダルは持ち込まないこと。つま先がしっかり覆われていて底が滑りにくく、実験作業に適した靴を履きましょう。また、靴についた屋外の雪や土埃、泥が室内に持ち込まれないように、多くの研究室では入室時に室内履きに履き替えるルールを作っています。

6. すべてのものにラベルを

サンプル、試薬、器具には、所有者、日付、詳細(要冷蔵かどうかなど)を記入します。ラベルは色分けすると便利です。蓋と容器本体は常に離れ離れになるため、蓋だけでなく本体にも記入しましょう。

7. プロトコールを遵守する

研究室に実験のセットアップや後片付けのプロトコールが用意されていない場合、自主的に草案作りに名乗り出ましょう。実験の資料作成の知識だけでなく、実験器具の使用、洗浄、保管、メンテナンスについての基本原則も身につけることで、メンバー間の意識合わせにつながります。

8. 小さなことも、おろそかにしない

例えばペンやマーカーの紛失は、自分にとっては大したことでないように見えても、今まさにそれを必要としているメンバーを激怒させる恐れもあります。何かを借りたいときは、たとえ小さなものであっても、許可を取り、使い終わったら速やかに返却しましょう。

9. 集中が必要な他のメンバーへの配慮を

溶液をピペットで吸い上げているような時くらい雑談してもいいのでは、と思うかもしれませんが、そこにいるメンバー全員が、同じように「ながら作業」をする余裕があるとは限りません。集中しているメンバーがいる時には、おしゃべりは慎みましょう。

10. 機材・器具を独り占めしない

ニーズの高い実験機材の利用申し込み票などがない場合には、自主的に作成しましょう。利用申し込み票があれば、気弱でなかなか「使いたい」と言い出せないようなメンバーでも、誰もが必要なときに確実に利用できるようになります。

自分の悪い習慣をチェックしよう

どこの研究室でも独自のルールがあり、それを身につけるには時間がかかり、場合によって試行錯誤もあるはずです。人一倍経験豊富な研究者であっても、ときには長年に渡って悪い習慣を断ち切れないこともあり、本人が気づいていないことさえあります。

だからこそ、研究室での自らの態度や振る舞いをときどき見つめ直し、研究仲間に嫌がられるような困った習慣や癖がないか、チェックすることが大切です。

次回、研究室にいるときに、ここに挙げた10カ条を守っているかどうか自問自答してみましょう。きっとどこか改善できる点が見つかるはずです。