Advanced Therapy Medicinal Products | Cell Therapy | Corning

Guillaume Churlaud博士率いるチームは、間葉系間質細胞(MSC)や制御性T細胞、CAR-T細胞、NK細胞、その他の先端医療医薬品(ATMP)などの細胞・遺伝子治療薬を製造しています。MEARY Centerで製造するATMPは、すべて臨床試験の第I相試験、第II相試験で使用されます。ここで製造される新しい細胞治療薬や新しい遺伝子治療薬は、自己免疫疾患、血液疾患、心疾患などの疾患に苦しむ患者の治療に用いられます。

MEARY Centerは、パリ大学病院コンソーシアムで細胞・遺伝子治療を担う中核施設です。AP-HP(パリ公立病院連合、www.centremeary.aphp.fr)に属する39の有力大学病院向けに、ATMPの製造を専門に手がけています。パリ中心部のサン・ルイ病院内に設置された同センターは、患者、研究、革新的な治療法を結びつけるエコシステムに組み込まれています。MEARY Centerは、アカデミア、バイオテック企業、製薬会社など、幅広い共同研究機関と連携しています。

サン・ルイ病院(フランス・パリ)ミアリー研究所のシニア品質管理担当のGuillaume Churlaud博士は、MEARY Center内の品質管理研究室の薬剤師です。パリの病院連合のバイオ治療薬分野のトレーニングを受けたほか、ピティエ・サルペトリエール病院(パリ)のバイオ治療薬臨床試験センターのトレーニングも修了しています。10年以上前から造血幹細胞やATMPの開発・品質管理に携わっています。免疫学の博士号を持っており、細胞・遺伝子治療の基礎研究やトランスレーショナルリサーチに関する高度な専門知識があります。

Guillaume Churlaud博士のインタビューの模様の動画をご覧ください。またインタビュー内容を書き起こした記事もご覧いただけます。

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科学者として患者さんの人生にどのように貢献しようとしているのですか。

MEARY Centerで、私のチームはMSCや制御性T細胞、CAR-T細胞、NK細胞、その他のATMPなどの細胞・遺伝子治療薬を製造しています。MEARY Centerで製造するATMPは、すべて臨床試験の第I相試験、第II相試験で使用されます。私たちの仕事は、新しい細胞治療薬や新しい遺伝子治療薬を製造し、自己免疫疾患、血液疾患、心疾患などの疾患に苦しむ患者さんの治療に役立てることです。

所属先の研究室では、個別化医療を行ってどのようなゴールを掲げていますか。

個別化医療を使っているのは、患者さん自身の細胞を治療に使うケースがあるからです。患者さんから採取した細胞を改変してから、同じ患者さんの体内に戻して疾患を治療します。例えば、白血病の治療では、自家T細胞から製造したCAR-T細胞を患者さんの体内に戻します。

どのようなアプリケーションでコーニング製品を使用していますか。

コーニング製品は、たくさんの製造プロセスに使っています。例を挙げると、MSCの製造にコーニング製品を使用しています。現在、この細胞を使って、2つの臨床試験が進められています。1つ目は、パリのピティエ・サルペトリエール病院のAntoine Monsel教授を治験調整医師とする「STROMA-CoV2」の治験です。急性呼吸促迫症候群である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う急性呼吸促迫症候群(ARDS)の治療に間葉系幹細胞を使用するのです。それから、もう1つの臨床試験は、間葉系幹細胞を使った外傷性脳損傷の治療です。

こちらの治験調整医師は、Vincent Degos教授です。どちらの治験でも、間葉系間質細胞の単離・培養にコーニング製品が使われています。

プロセスのどの段階でどのようなコーニング技術を使っているのですか。

間葉系幹細胞の製造で、最初のステップは臍帯からの細胞の単離です。Corning® CellSTACK® 1チャンバー容器を使って細胞を単離します。この細胞を培養してから、CellSTACK送液アクセサリーを使って細胞を回収します。その後、Falcon® コニカルチューブか、500mLのCorning 遠沈管を使って遠心します。この回収のステップ後、CellSTACK 10チャンバー容器で再び培養します。さらにCorning HYPERStack® 12段〜36段セルカルチャー容器で細胞を培養してから、回収しています。

今後の研究でどのような課題と機会があるでしょうか。

ATMP製造のコストを削減するため、製造プロセスを改善したいと考えています。例えば、自家細胞によるATMPのような小バッチであれば、それに応じた適正なコストのツールが必要ですが、同種異型細胞によるATMPなど、大規模バッチに適したツールも必要です。閉鎖系の製造システムのツールも必要です。細胞タイプごとにGMPに準拠した、適正な価格の培地も必要ですし、サイトカインもそうです。