光ファイバのブレークスルーが拍車をかける情報の時代
50年以上も前、長距離に亘って光信号を効率よく伝送できる高純度の光学ガラスーそれまでに実現できたことのない製品でした―を開発する目的で、コーニングの科学者であったロバート・マウアー博士、ドナルド・ケック博士、ピーター・シュルツ博士らが集められました。誰もグローバルててコミュニケーションにおける革命を引き起こすことになるとは考えていませんでした。
1960年中頃にはコーニングの科学者にも、そして通信事業者にも、当時データや音声に使用していたメタル回線による通信設備が、将来に予想される通信トラフィックに対応する十分な帯域を持っていないことは明らかでした。その解決策を見つける競争が始まっていました。
そのころブリティッシュポストオフィスの担当者がコーニングを訪れ高純度のガラスファイバ光学系を作ることに協力を求めてきました。彼らの設計では伝送損失が20 dB/km 程度のシングルモード型光ファイバ(クラッド径100μm、コア径7.5μm)が必要でした。当時は最も純粋な光学ガラスでもその損失は精々1,000 dB/km程度でした。 20 dB/kmの目標に到達するためにはマウアー博士、ケック博士、シュルツ博士達は1098 倍の改善が必要になることを意味していました。不可能なタスクの様ではありましたが、彼らは実現し、技術のブレークスルーは世界を変える結果となったのです。
今日、光ファイバは私たちが生きる世界のコネクティビティを支え続けています。ブロードバンドで届けられるサービスは日々の生活に欠かせないものになり、私たちは皆、容易な接続性、早い通信速度、高い信頼性を期待しています。コーニングの革命的な発見と現在も続く革新的な光ファイバ製品がこれらを現実のものとしています。
2000年にはマウアー博士、ケック博士、シュルツ博士は、彼らの革命的な発明に対してNational Medal of Technology を受賞しました。これは米国の競争力や生活水準を将来にわたって向上することに貢献した米国の最先端の発明者やイノベーターに対して米国大統領により与えられる最高の名誉です。技術革新や発明にたいする姿勢の証として、コーニングの科学者たちはこの権威ある賞を四度受賞しています。