気液界面(ALI)研究は、長きに渡ってin vitroの培養環境でin vivo生態を再現するゴールドスタンダードとされています。培養物の片側を液体培地に、反対側を気体にさらすため、in vivoで液体と気体の双方との相互作用がある気道上皮細胞の研究に理想的な手法です。
ALI実験は喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、多様な呼吸器疾患の研究に不可欠ですが、今は、新型コロナウイルスに対する呼吸器の基礎を探るうえでも極めて重要になっています。すでにALIのおかげで、目下のパンデミックを引き起こしている新型コロナウイルスについて研究者の理解が深まっており、New England Journal of Medicine誌を始め、有力医学雑誌に論文が発表されるなど研究が進んでいます。
ALIは、前臨床研究でますます重要な役割を果たすことになります。その背景のほか、ALIを研究に用いる際に検討すべきベストプラクティスについて、コーニング ライフサイエンスのプロダクトラインマネージャー、Shabana Islam博士(MS、PhD)に聞きました。