増殖が進まない細胞や接着しない細胞ほど厄介なものはありません。細胞が育たなかったり、培養がうまくいかなかったりすると、プロジェクトに遅れが生じ、チームメンバーはいらだち、研究者はどこで間違えたのか、どうすれば解決できるのかと頭を抱えることになります。
こうした問題の解決策は必ずしも単純明快とは限りません。細胞培養は複雑で、プロセスを細分化して問題を切り分けるには時間がかかります。通常、よくある問題として挙げられるのが、異常増殖パターンや、まだら状、不均一、ムラのある細胞接着です。ほかにも、増殖速度の緩慢化や急激な変化、あるいは説明のつかない結果などの問題もあります。
こうした問題は、得てして培養手法やインキュベーション、培地に関係しています。そこで今回は、このような問題をいくつか取り上げ、上手に先手を打って問題を回避する方法について考えます。