Making Strides Toward a Sustainable Life Sciences Industry | Sustainability Initiatives and Pillars | Corning

国際連合は、2050年までにCO2 排出量を実質ゼロに削減する野心的な目標を掲げています。世界の多くの製薬会社やバイオテクノロジー企業が国連の持続可能な開発目標を採択しており、これまで以上にサステナブルなライフサイエンス産業づくりに力を注いでいます。

ライフサイエンス業界のサステナビリティへの取り組みと重要な柱

米国環境保護庁によれば、研究機関の単位面積当たりのエネルギー消費量は一般的なオフィスビルの5倍〜10倍に相当し、一部の専門研究室では100倍以上に上るケースもあります。さらに、英エクセター大学の調査では、世界のライフサイエンス研究室が使用するプラスチック量は550万トンに上ると推定され、毎年世界のプラスチック廃棄物の1.8%を排出していることになります。

ライフサイエンス研究機関は、生態系への影響を最小に抑えるという使命を掲げ、温室効果ガスの削減、淡水その他の資源の使用量削減、有害廃棄物の削減に取り組んでいます。

サステナブルなライフサイエンス産業の確立とは、研究から製造、さらにその先まで、サステナビリティへの取り組みをあらゆる段階に導入することを意味します。実験用品業界のリーダーであるコーニングは、さまざまな分野でのイノベーションを通じて、サステナビリティの課題への対処を表明しています。環境への影響低減に向けたコーニング ライフサイエンスの取り組みは、CO2排出を最小限に抑える事前対応策を策定すること、製品設計段階での持続可能特性を盛り込むこと、スチュワードシップを念頭に資源利用に責任を負うこと、という3本柱でサステナビリティを推進しています。

環境への取り組み:科学的根拠に基づく目標

1つの業界トレンドとして、排出量に関する科学的根拠に基づく目標の策定が挙げられます。温室効果ガス(GHG)プロトコルや科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)が策定しているように、CO2の直接排出、間接排出の目標は、スコープ1、スコープ2、スコープ3に分類されます。

スコープ1は、企業の事業所や車両など自社の事業活動の直接的な結果である温室効果ガス排出を削減対象とする一方、スコープ2は、企業が供給を受ける電力、蒸気、温熱、冷熱に伴う間接的排出量を削減対象とします。

スコープ3は、サプライチェーンや輸送に伴う間接排出量を対象とし、マッキンゼー・アンド・カンパニーによれば、製薬業界の排出量の約4分の3がスコープ3に相当すると推定されます。

コーニング ライフサイエンスのサステナビリティ担当プログラムディレクター、Sarah Dowdallは、次のように説明します。「スコープ3の排出量は、仕入れ先の排出量など、企業の直接的な管理が及ばないことが多々あります。研究室でスコープ3の排出量を削減するためには、サステナビリティに優先的に取り組むメーカーと協力する必要があります」。

コーニングは、排出量削減に取り組んでおり、スコープ1、2、3の各排出量に対処するため、製造施設でのエネルギー効率化、再生可能エネルギー導入、仕入れ先各社を通じ、コーニングのサプライチェーンの排出量を削減しています。

サステナビリティを見据えた設計:製品設計への持続可能特性の反映

真のサステナビリティを実現するためには、ライフサイエンス業界全体でイノベーションが求められます。ライフサイエンス系メーカーの多くは、製品設計の際、サステナビリティの考え方を取り込み、代替となる材料・製品の開発や使用に取り組んでいます。

「持続可能な設計」の原則には、再利用可能な製品の使用、包装材使用量と有害物質使用量の削減、資源利用の最小化、リサイクルしやすい製品が含まれます。例えば、コーニングでは、プラスチック使用量の少ないフラスコ、エネルギー消費を抑える実験用冷却ラック、単位当たりの培地やプラスチックの使用量を低減させた細胞培養集約化製品を設計しています。

スチュワードシップ:責任ある資源管理の重要性

多くの研究室でエネルギーとプラスチックの消費量が大きいことを踏まえると、サステナブルなライフサイエンス産業であるためには、研究活動、製品開発、製品設計、製造の各段階を通じて「リデュース」、「リユース」、「リサイクル」の3Rを追求することが基本原則と言えます。

ライフサイエンス企業の中には、コーニングのように、研究室での包装材廃棄物の削減を支援する引き取りプログラム(USでの取り組み)を実施している企業もあります。このプログラムでは、不要になったプラスチック包装材、チップ用ラック、発泡スチロール、包装用フィルムをメーカーに返却できます。先進的なサステナビリティ目標として、循環型モデルへの移行が挙げられます。このためには、設計段階で、リサイクルしやすい製品やリサイクル材使用の製品をめざします。

さらに、前出のDowdallは次のように説明します。「研究室のサステナビリティ対応を深めるために、外部の専門家の知恵を借りることも一案です。例えば、My Green Labは、研究室の環境負荷を改善する実効性ある手段を提案してくれます」。

コーニングとともにサステナビリティ目標の達成を

真にサステナブルなライフサイエンス産業をめざすことの大切さは、決して軽視できません。どの研究室であっても、内部のステークホルダー、外部の仕入れ先の双方と協力し、サステナビリティに向けた歩みを推進する必要があります。コーニングは、お客様のサステナビリティ目標の達成を支援します。ぜひご相談ください。