Corning Transwellインサートとは何ですか?研究を支えるラボのマルチツールです。

今日の研究環境で、科学研究を支える頼みの綱となっているのがアッセイであり、プロジェクトの成功に重要な役割を担うのがパーミアブルサポートです。Corning® Transwell® インサートは、マルチウェルインサートで、上下2つのコンパートメントで構成されたシステムとなっており、培養細胞を上下方向から曝露できます。この設計により、大きな汎用性が生まれます。

Transwell インサートでは、研究の選択肢と可能性が広がります。そこで、このシステムならではの特長をご紹介します。

 

Corning Transwell インサートとは

 

Corning Transwell インサートは、Transwell パーミアブルサポートとも呼ばれているように、コーニングが開発した独自のパーミアブルインサートです。標準の細胞培養プレートを使用する場合とは異なり、Transwell インサートは、透過性の膜で構成されており、がん転移、生体システムの3Dモデル化、胚発生など、さまざまな研究活動において細胞の成長をサポートします。

Corning Transwell システムの仕組み

Transwell インサートでは、メンブレン(ポリカーボネート製、ポリエステル製)をプラスチック製の枠に取り付け、細胞培養プレートの上に来るように吊り下げます。コーラゲン、フィブロネクチン、Corning Matrigel® 基底膜マトリックスなど、細胞外基質(ECM)でコーティングされたインサートもあります。

プレートで培養する場合、細胞は成長に伴ってプラスチックに接着しやすくなる傾向があります。一方、Transwell インサートの場合、細胞は培地(または空気)に上下から曝露されます。その結果、Transwell インサートでは、細胞の成長のあり方が変わり、in vivoで通常見られる細胞の配向性が発生しやすくなります。その結果、これまで以上に現実に即したモデルを構築し、正確性を高めた結果を導き出せるようになります。

他の透過膜と比べ、Transwell インサートは独自のセルフセンタリング吊り下げ設計を採用しており、インサートとウェルプレートの間での培地の毛細管現象を防ぎます。インサートは、上下のコンパートメントに分かれていて、微多孔性メンブレンで仕切られています。

Transwell インサートは、セルフセンタリング設計に加え、さまざまなサイズがあり、幅広いアプリケーションに利用できます。用途に応じて6ウェル、12ウェル、24ウェル、96ウェルプレートが利用できます。

Corning Transwell インサートを使用するメリット

Transwell インサートは、さまざまな面で研究活動を向上させます。設計面では、各ウェルの上部のリングに沿って開口部があり、新しい培地を側底部コンパートメントの底部に送液しやすく、液体培地交換、バッファー交換、薬剤追加が容易になっています。この開口部があるため、長期培養や、培地交換の頻度が高い培養での利便性が高まります。こうした特長でハンドリングが向上し、アプリケーション中のコンタミネーションのリスクが低減します。

さらに、Transwell インサートは、多種多様なメンブレン素材やポアサイズ、生物コーティングがそろっているため、個々のアプリケーションに最適な透過膜を選択できます。セルフセンタリング設計も、従来のパーミアブルサポートにはないTranswell インサートならではの優位性です。実際、Transwell インサートは、科学論文で最も引用回数の多いパーミアブルサポートとなっています。

Corning Transwell インサートの主な機能

このパーミアブルサポートは、他の細胞培養用品では不可能な幅広い手法に対応する設計を採用しています。以下のような幅広いアプリケーションに活用できます。

  1. 気液界面:人体の組織の中でも、眼、肺、皮膚といった組織は、片側が大気に曝露する一方、反対側は大気に曝露しません。このモデルを再現するには、片側だけ大気に曝露できるプラットフォームが必要です。パーミアブルサポートの1種であるTranswell インサートは、メンブレン上に細胞層を培養し、上側コンパートメントだけから培地を除去し(組織を大気に曝露)、下側コンパートメントの細胞は引き続き液体培地に曝露しておきます。このようにパーミアブルサポートを利用して細胞の自然環境を模倣することで、in vivoの場合と同様のふるまいを行うように細胞にシグナルを伝達し、完全な分化を促進します。

  2. 薬剤輸送:パーミアブルインサートは薬剤試験や栄養試験にも対応します。このため、腸、腎臓、皮膚などの機能性器官を再現可能な細胞タイプをメンブレン上で培養し、器官による薬剤や食物の吸収、代謝、輸送の様子を研究できます。このアプリケーションの場合、メンブレンの上下いずれかに薬剤を付加して、その活性の評価・判定が可能です。

  3. 遊走・浸潤:ポアが大きめの透過膜は、がんの広がりや損傷部位への免疫細胞の移動を調査する研究活動に不可欠です。このようなアプリケーションでは、メンブレン上部から下の細胞培養プレートのメンブレンの下にある走化性因子(最高濃度領域に細胞を誘導する可溶性分子)に細胞が移動します。

研究でのCorning Transwell インサートの重要性

優れたモデルがなければ、研究者が求める答えにたどり着くまでに苦労することになります。そこでTranswell インサートの出番です。従来の細胞培養ツールでは、細胞を入れる部分は1つしかありません。Corning Transwell パーミアブルサポートは、透過膜で区画された複数コンパートメント構成の細胞培養環境を生み出します。この透過膜では、細胞が極性化し、内層と外層の両方を形成します。さらに、選択するポアサイズに応じて、分子輸送の研究にも、細胞の遊走・浸潤の研究にも対応できます。Transwell インサートは、創傷治癒、細胞分化、細胞コミュニケーション、腫瘍転移の研究で中心的役割を担っています。

最終的には「Transwell インサートとは何か」、そして「Transwell システムはどのように機能するのか」という疑問への答えについて、検証を重ねていくことは、研究の成功率を高め、効率的で動物実験を削減できる研究につながり、質の高い結果を生み出します。Transwell システムおよびこの必要不可欠なツールの利用方法について、コーニングのウェブサイトで詳しくご紹介します。