材料科学の世界的リーダーであるコーニングインコーポレイティッド(NYSE: GLW)と、受託合成・研究を手掛ける株式会社ナード研究所はこの度、日本のナード研究所本社敷地内(兵庫県尼崎市)にAdvanced Flow™ Reactor(AFR)アプリケーション認定ラボ(AQL)を開設しました。AFRのお客様は、同ラボを活用して連続フローのデモや実験、フィージビリティーテスト、化学反応プロセス開発を効果的に行えるようになります。今回の協力を通じて、コーニングとナード研究所は国内の医薬品・特殊化学品市場における連続フロープロセス開発能力を拡大し、これら産業の高まるニーズに応えていくことが可能になります。
日本初となる同ラボでは、お客様向けにAFRの試験、実験、プロセス開発サービス、連続フローのデモを提供します。コーニングのLab ReactorとG1リアクターシステムを設置することで、既存のお客様や潜在顧客がコーニングのAFRシステムを評価し、大規模生産へのシームレスな移行に適したプロセスを特定することが可能です。コーニングのAFR事業は、現在、世界各地のお客様の拠点に合計14のAQLを設置しています。
コーニングアドバンストフローリアクターテクノロジーのゼネラルマネージャーであるケビン・ジアは、次のように述べています。「ナード研究所は、医薬品、ファインケミカル、特殊化学品など様々な産業の市場において、幅広い化学エンジニアリングの専門知識を有しています。同社の広範な顧客基盤と連続フローテクノロジーへのコミットメントにより、この地域においてAFRテクノロジーが幅広く展開できるようになり、既存のお客様、潜在的なお客様にとっては、地理的な利便性の向上につながるでしょう。」
コーニングAQLネットワークの一員となったナード研究所は、新規・既存プロセスの評価を行い、実装に向けて各お客様に適した提案を行います。また、プロセス開発のあらゆる局面においてエンジニアリングサービスを提供します。同社は、AFRテクノロジーを適切に活用する上で鍵となる、物質・熱移動の原理に精通した化学エンジニアを擁しています。
ナード研究所の代表取締役社長である土肥幸生氏は、次のように述べています。「ナード研究所は、お客様に拡張可能なソリューションを提供すべく設立されました。フロー反応開発テクノロジーにおける当社の経験とコーニングのAFRが組み合わさることで、私たちのエンジニアリングサービスの幅は確実に広がるでしょう。このような素晴らしいチームの一員となったことに身の引き締まる思いです。」
ナード研究所にAFRユニットを設置する際には、日本におけるコーニングのAFR販売パートナーである和光化学株式会社がナード研究所と密接に協力しました。
和光化学の代表取締役社長である中條正氏は、以下のように述べています。「ナード研究所は、日本において有名な受託研究企業です。今回の協力により、将来的に素晴らしい成果が生まれるはずであり、胸が高まる思いです。今後日本のフローリアクター市場の成長が加速していくことを心から期待しています。」
コーニングのAFR事業は20年以上にわたり、ファインケミカル、医薬品および新素材産業における連続フロー製造の経験を積み重ねており、これまでに全世界で800件を超える設備導入実績があります。従来のバッチ化学プロセスと比較した場合、コーニングのAFRテクノロジーは本質的に安全な技術であり、より高品質の化学プロセスを実現しつつ、プロセスハザードのリスクを低減できます。他にも、省エネ性、化学合成の効率性、低い生産コスト、少ない環境への影響など、様々な面で利点をもっています。
・AFRについて(アニメーション)はこちら
・写真:G1、Lab Reactor